A 当センターは、昨年度までは安全衛生法に則り、長時間労働かつ希望された方に面接を実施しておりました。しかし年に数人の希望者であったため紙媒体で対応できていたのですが、今年度から施行された医師の働き方改革で、B水準やC水準の特例水準が適用される医師に対しては、追加的健康確保措置が義務付けられ、その措置の中には長時間労働者に対する面接指導の義務化がありまして、当センターでは、かなり多数の医師を毎月面接指導をしなければならないことが予想されました。このような状況での面接指導実施を紙媒体や電話予約等で対応するには事務作業の負担が懸念されました。
そこで、業務の効率化と休日や時間外でも予約の取得や取消ができるシステムがあれば対象者が非常に予約を取りやすいだろうと思い、今回作っていただきました。

A 大和コンピューター社からフィット・コム社のサービスを提案いただいたことがきっかけです。
実は、当センターは過去にサイバー攻撃の被害を受けた事がありまして、その後のシステムの見直しの際にセキュリティの専門家から信頼できる企業として紹介いただいたのが大和コンピューター社でした。
他にこういった面接指導管理が可能なシステムを存じなかったこともあり、大和コンピューター社のグループ会社ということでお願いしました。

A 導入して３ヶ月ほど経過しましたが今のところ大きなトラブルなく使用できています。面接指導管理を紙媒体で対応すると非常に大変ですので、導入したことで事務の方々の手間がとても減ったように思っております。
使い方については、昨年度に説明会を院内で2回程実施しました。いただいた面接指導管理システムのマニュアルを配布し、予約方法の手順等も事前にアナウンスしておりましたので、あまり問題はありませんでした。

今まで面接していなかった時に比べて、面接を受けた方々がどんな業務の時間を要しているのかを把握できるようになってきましたので、今後はある程度一定期間をもって診療科で対策を練るなど、業務改善を図っていこうと思っております。
面接指導の2大ポイントは業務改善ともう一つは健康改善にあります。当センターには６名の面接指導実施医師がいるのですが、毎月同じ医師が面接を行っております。1回1回実施医師が変わるのもいい案だと思いますが、予約の偏りや実施医師・事務の方々にも負担がかかるため、診療科群ごとに面接指導実施医師を割り当てております。そうすることで対象者の経時的な疲労蓄積度や睡眠負債の状況が把握でき健康管理の一つにもなっています。
また、面接指導結果報告書に記載して診療科にアラートを出すことができますので、引き続き医師の健康改善にも注力していきたいです。

A システムの機能で申し上げますと、毎月大人数の面接を行う中で面接指導結果意見書を書く際に一つ一つの項目を入力していくのは非常に手間がかかります。そのため前月の内容を引用できる機能や、面接指導実施医師が変わった際にも参照しやすいようにコメント追記の機能があったり、前月の面接結果が即時に閲覧できるようになるとより良いです。

面接指導管理システムのWEB画面は、元々フィット・コム社が提供しているフィットネス施設向けのWEB画面自体を利用して作っていただいたので、見やすいと感じております。

なお、やはり労働安全衛生法の時よりも対象者が増えた事から、予約の偏りや後半に希望者が殺到して予約枠がなくなってしまうなどの懸念はあります。当センターの場合は前月の実績で面接指導対象となる方は翌月も対象となる方が多くいらっしゃるので、そのような方は月の前半に、急な時間外勤務などのイレギュラーで100時間を超えそうな方は月の後半に面接してもらうように工夫しております。面接指導実施医師も日常業務があり隙間時間で行っているので、双方のバランスを取っています。